シュヴァルツ・アプフェル~黒果~魔女と呼ばれた総長はただ1人を所望する
***
というわけで今に至る。
校舎から少し離れている時計塔は5年前に改装したにもかかわらず古びていて、えもいわれぬ雰囲気を醸し出していた。
そのせいかな? この時計塔には怖い言い伝えというか、噂があった。
《柚木城学園の時計塔には魔女がいる》
そんな噂が。
正直何で魔女? と思うけれど。
普通幽霊とかだよね?
まあ、だからと言って魔女に会ったなんて話も特に聞いたことはないんだけどね。
「……でも本当に何か出てきそう」
夕方で陽が落ちかけているとはいえ、まだ太陽は出ている。
それなのに中はすでに薄暗い。
魔女や幽霊じゃなくても、ネズミとかはいるかもしれない。
それは普通に嫌だなぁと思いながら時計塔の1階部分を横切った。
入り口の反対側に管理室として部屋があるだけで、あとは螺旋階段しかない。
見上げれば大きな振り子は見えるけれど、時計の機械部分や文字盤の裏側に当たる部分などは1階からじゃあ全く見えない。
流石に上にまで行くことはないから、きっと見ることもないと思うけれど。
管理室にたどり着くと一応ドアをノックしてみる。
でも返事はない。
というわけで今に至る。
校舎から少し離れている時計塔は5年前に改装したにもかかわらず古びていて、えもいわれぬ雰囲気を醸し出していた。
そのせいかな? この時計塔には怖い言い伝えというか、噂があった。
《柚木城学園の時計塔には魔女がいる》
そんな噂が。
正直何で魔女? と思うけれど。
普通幽霊とかだよね?
まあ、だからと言って魔女に会ったなんて話も特に聞いたことはないんだけどね。
「……でも本当に何か出てきそう」
夕方で陽が落ちかけているとはいえ、まだ太陽は出ている。
それなのに中はすでに薄暗い。
魔女や幽霊じゃなくても、ネズミとかはいるかもしれない。
それは普通に嫌だなぁと思いながら時計塔の1階部分を横切った。
入り口の反対側に管理室として部屋があるだけで、あとは螺旋階段しかない。
見上げれば大きな振り子は見えるけれど、時計の機械部分や文字盤の裏側に当たる部分などは1階からじゃあ全く見えない。
流石に上にまで行くことはないから、きっと見ることもないと思うけれど。
管理室にたどり着くと一応ドアをノックしてみる。
でも返事はない。