シュヴァルツ・アプフェル~黒果~魔女と呼ばれた総長はただ1人を所望する
初めから鳴り響いている振り子の音とは全く違う。
これは、階段を下りてくる誰かの足音だ。
誰だろう?
怖いもの見たさとでも言うのかな?
つい、足音の主を見つけようと螺旋階段を見上げた。
視線が階段を上って行く。
そして――。
カツンッ
足音の主の靴を視界に捉えた。
黒い革靴。
黒のスキニーパンツ。
白いシャツを着て、その上から黒のテーラードジャケットを羽織っている。
男の人、だよね?
そう少し疑問に思ってしまったのは、彼の銀髪がとても長いストレートだったから。
そして、真っ先に見えた顔のパーツ。
形の良い顎の上にバランスよく配置されたふっくらとした唇が、男の人とは思えないほどに艶やかに見えたから……。
その唇が、もともと持っていたらしい真っ赤なリンゴに触れた。
シャクリ
と、靴音の合間にリンゴをかじる音がわずかに響く。
そのしぐさ1つ1つが妖艶で、目が離せない。
鼻は高めで、これまた形のいい眉の下には、冷たくも見える切れ長な目。
少し赤みを帯びているように見える茶色の目を縁取るまつ毛はことさら長い。
これは、階段を下りてくる誰かの足音だ。
誰だろう?
怖いもの見たさとでも言うのかな?
つい、足音の主を見つけようと螺旋階段を見上げた。
視線が階段を上って行く。
そして――。
カツンッ
足音の主の靴を視界に捉えた。
黒い革靴。
黒のスキニーパンツ。
白いシャツを着て、その上から黒のテーラードジャケットを羽織っている。
男の人、だよね?
そう少し疑問に思ってしまったのは、彼の銀髪がとても長いストレートだったから。
そして、真っ先に見えた顔のパーツ。
形の良い顎の上にバランスよく配置されたふっくらとした唇が、男の人とは思えないほどに艶やかに見えたから……。
その唇が、もともと持っていたらしい真っ赤なリンゴに触れた。
シャクリ
と、靴音の合間にリンゴをかじる音がわずかに響く。
そのしぐさ1つ1つが妖艶で、目が離せない。
鼻は高めで、これまた形のいい眉の下には、冷たくも見える切れ長な目。
少し赤みを帯びているように見える茶色の目を縁取るまつ毛はことさら長い。