シュヴァルツ・アプフェル～黒果～魔女と呼ばれた総長はただ1人を所望する

　家に忘れてきたスマホは眞白が気づいてちゃんと持ってきてくれた。

　中には早速みんなの連絡先が登録されている。

　何かあったら連絡できるように、と言っていたけれど……。


　学校に行くだけなのに過保護過ぎない？


　とちょっと疑問に思う。

　でもまあそれよりも……。


「やっぱりギンは学校行かないの？」

　一緒に行くどころか制服にすら着替えていないギンを見て聞いてみる。


　案の定というか、予測していたけれど他の皆は学校に行っていないらしい。

　それぞれ事情があるみたいだけれど、みんな最終学歴が中卒状態だそうだ。


　でもギンは柚木城学園に在籍していると眞白から聞いていた。

　それでも会ったことはなかったから、やっぱり学校には行っていないってことなのかな？


「まあ、今日は行く予定はないな。でも行くときもあるぞ？　３年の教室には行かないが」

「ん？　どういうこと？」

　学校に行っても教室には行かないって……授業は受けてないってこと？

　詳しい部分が分からなくて聞き返したけれど、その辺は眞白に聞けと言われて送り出されてしまった。


「……で？　どういうこと？」

　歩きながら早速聞いてみる。