シュヴァルツ・アプフェル~黒果~魔女と呼ばれた総長はただ1人を所望する
ただ、それを第三者に指摘されると照れるというか……。
「別に、慰められたわけじゃないもの」
素直に認めたくないような気分になる。
「そうなの?」
首をひねる眞白には答えず、わたしはスタスタと歩いていった。
***
「あ、おはよう雪華ちゃん」
校門前あたりで優姫さんに会って、わたしも「おはよう」と返す。
今日は1人なのか金多くんは一緒じゃなかった。
「今日は逆方向から来たんだね。どうしたの?」
いつもとは逆の方向からわたしたちが来たので疑問に思ったらしい。
小首をかしげる姿は可愛らしく見えた。
「あ、うん。今日からちょっとわたし別の場所から通ってて……」
詳しく話すわけにもいかないから、ただ住む場所が変わったということだけを伝える。
「別の場所? どこに? 友達の家……なわけないよね?」
「うっ……まあね」
わたしに友達と言える相手が居ないから口にした言葉だろうけど、ハッキリ言われるとちょっとショックだ。
一応中学のときの友達はいるもん。
……クラスが別になって交流がほとんど無くなっちゃったけど。
「それにしても突然ね? どうして……って、まさか!?」
不思議そうだった優姫さんの顔が瞬時に険しい表情に変わった。
そして睨むように眞白を見た後、掴みかかる勢いでわたしに近づく。
肩を掴まれ、わたしにだけ聞こえるような小さな声を唸らせるようにして話した。
「まさか彼に……金多のお兄さんに抱かれたの?」
「なっ!?」
直接的な言葉にはじめは普通に慌てたけれど、それ以前にどうしてそんなことを知っているのか。
どうして住む場所が変わったという情報だけでそんなことが分かったの?
「別に、慰められたわけじゃないもの」
素直に認めたくないような気分になる。
「そうなの?」
首をひねる眞白には答えず、わたしはスタスタと歩いていった。
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「あ、おはよう雪華ちゃん」
校門前あたりで優姫さんに会って、わたしも「おはよう」と返す。
今日は1人なのか金多くんは一緒じゃなかった。
「今日は逆方向から来たんだね。どうしたの?」
いつもとは逆の方向からわたしたちが来たので疑問に思ったらしい。
小首をかしげる姿は可愛らしく見えた。
「あ、うん。今日からちょっとわたし別の場所から通ってて……」
詳しく話すわけにもいかないから、ただ住む場所が変わったということだけを伝える。
「別の場所? どこに? 友達の家……なわけないよね?」
「うっ……まあね」
わたしに友達と言える相手が居ないから口にした言葉だろうけど、ハッキリ言われるとちょっとショックだ。
一応中学のときの友達はいるもん。
……クラスが別になって交流がほとんど無くなっちゃったけど。
「それにしても突然ね? どうして……って、まさか!?」
不思議そうだった優姫さんの顔が瞬時に険しい表情に変わった。
そして睨むように眞白を見た後、掴みかかる勢いでわたしに近づく。
肩を掴まれ、わたしにだけ聞こえるような小さな声を唸らせるようにして話した。
「まさか彼に……金多のお兄さんに抱かれたの?」
「なっ!?」
直接的な言葉にはじめは普通に慌てたけれど、それ以前にどうしてそんなことを知っているのか。
どうして住む場所が変わったという情報だけでそんなことが分かったの?