むり、とまんない。


「俺のこと、誰よりもかっこいいと思ってる?」


そうは、言ってないけど……。


「まあ、うん」


ちらっとこっちを見た遥にうなずいた。


だって、まつげとか女の子みたいにふっさふさだし、ぱっちり二重だし、鼻高いし。

それに身長も。


芸能人に詳しくないからあれだけど、周りには杏以外いないもん。


遥のベッドに寝っ転がって、たまたま思いついた俳優さんの名前を検索してみる。


うん、やっぱり遥の方が勝ってる。


中1でこんなにかっこいいのに、大人になったらますますなんじゃないかな。


「歌も。
遥の歌、私はすきだよ」


趣味がカラオケの杏に連れられて、よく4人で行ってた。

杏も遥も、素人の私でも分かるくらい本当にうまくて。

100点とか、普通にバンバン出してた。


「向いてると思うけどなー……まあ、遥は杏みたいにもっと笑ったほうがいい……って、遥?」
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