むり、とまんない。
***
「あのね、胡桃?ちゃんと考えなって言ったのはあたしだけどさ」
「ごめんなさい」
「競技中にしてもいいとは言ってないよ!?」
「すみません……」
今は本日最後の授業である、体育の時間。
芸能科の生徒が混じってのはじめての体育ってことで、前半は練習で、後半はずっとゲームをしている。
ちなみに女子はバレー。
男子はバスケだ。
「甘利くん!
頑張って!」
「不知火くーーん!!
こっち向いてえええぇぇぇーーー!!」
だって、女子が試合をしてる隣のコートで、こんな歓声が飛び交ってるんだよ。
気にならないってほうが無理な話だよ……。
「きゃあああ!!
遥くーーーん!!」
「ジャージ姿カッコよすぎ!!」
いつの間にか戻ってきたらしい遥も試合に参加してる、らしい。
らしいというのは、私が遥のほうを一切見ていないから。
強く意気込んだものの、なんて伝えたらいいのか。
どんな目で遥を見たらいいのか。
また、だ。
さっきから視線をビシバシ感じる。
思いつくのは一人しかいないけれど、どんな目でどんな表情で私を見ているのかが怖くて、そっちをふりむけない。
「あのね、胡桃?ちゃんと考えなって言ったのはあたしだけどさ」
「ごめんなさい」
「競技中にしてもいいとは言ってないよ!?」
「すみません……」
今は本日最後の授業である、体育の時間。
芸能科の生徒が混じってのはじめての体育ってことで、前半は練習で、後半はずっとゲームをしている。
ちなみに女子はバレー。
男子はバスケだ。
「甘利くん!
頑張って!」
「不知火くーーん!!
こっち向いてえええぇぇぇーーー!!」
だって、女子が試合をしてる隣のコートで、こんな歓声が飛び交ってるんだよ。
気にならないってほうが無理な話だよ……。
「きゃあああ!!
遥くーーーん!!」
「ジャージ姿カッコよすぎ!!」
いつの間にか戻ってきたらしい遥も試合に参加してる、らしい。
らしいというのは、私が遥のほうを一切見ていないから。
強く意気込んだものの、なんて伝えたらいいのか。
どんな目で遥を見たらいいのか。
また、だ。
さっきから視線をビシバシ感じる。
思いつくのは一人しかいないけれど、どんな目でどんな表情で私を見ているのかが怖くて、そっちをふりむけない。