むり、とまんない。


だっ、だからって……!

くっ、くすぐったいよ、あーちゃん!!


私がくすぐりに弱いってわかってるのか、あーちゃんは周りにたくさんの人がいるというのに、くすぐりをやめない。


「ほれほれ、こっち見ろ男子〜!かわいいだろ〜?かわいいだろ胡桃〜!声、かけたくなっちゃうよな〜?」


あーちゃんがなにか言ってるのは聞こえたけれど、とくに弱い腰をくすぐられて、はっきりとは聞こえない。


「っ、ぁ、ちょっと、あーちゃ……っ」

「嫉妬しろ、嫉妬しろ遥くん」


なにやらとある方向を見て、にやにやするあーちゃん。

けど、私はそれどころじゃなくて。


「うりゃうりゃ〜!」


もう完全に背中が床についちゃってる私に関わらず、あーちゃんは手をとめてくれない。


「っ、もう、だ、め……っ、あーちゃ……」


全身に力は入んないし、目も潤んできて。


もう、むり……っ。


震える声で、なんとかあーちゃんを呼んだとき。


「ねぇねぇ〜!」
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