むり、とまんない。

「私も遥のこと、すきだよ……」


「ほんとに?」


「うん……ま、まだちゃんと、心からとは言えないけど……」


『っ、めちゃくちゃ嬉しい』
「俺も、好きだよ」


なんとか目を見て伝えれば、きゅうっとその目が細められて、私の肩にポスンと頭がのった。


『あー……やばい。超うれしい』
「胡桃、すげえ好き」


声が弾んで、ぐりぐりと擦り寄せられた頭がくすぐったい。


な、なんか遥、かわいい……。


って、だめだめ!

緩みそうになる頬にグッと力を入れて、遥の肩をたたく。



「で、でも、幼なじみである前に、遥はbondの1人で芸能人で……桃華みたいにかわいくない、ただの一般人の私は、遥に似合わないよ……」


「……」


「遥……?」


いつの間にか、遥は黙ってうつむいていた。


「あ、あの遥……」

「『……本気でそう思ってんの?』」


「っ……!!」


地を這うような低い声と鋭い視線にビクリとする。


瞬間。


「はるか……っ、!?」


腕を引かれて、気づけば視界は天井と、ドアップに映った伏せられた遥の長いまつげだけ。


な、なんで……っ。


「んっ……ちょっ、はる……っ!」


「黙って」


キス、されてるのっ……!


私の声なんか聞く気はない。

そう言うように、どんどん口づけが深くなる。


「っ、ぁ……はる、か…っ」


なんとか押し返そうと手を伸ばしても、ぎゅっと握られて、シーツに押しつけられるだけ。
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