むり、とまんない。
あー……声、やっば。
甘いし、かわいいがすぎる。
胡桃見てると甘やかしたくなる反面、
いじらしくて、いじわるしたいって気持ちもむくむくと湧き上がってくる。
もっとその顔がみたい。
もっとその声が聞きたい。
「まだ話、終わってねーけど?」
体を倒して、グッと顔を近づけて。
シャツを握っていた両手を絡めとって、シーツに押しつければ。
「っ、だから、やめてって……っ」
ほらまた。
もっともっとはずかしがって、顔を背けるから。
はぁ……ほんっと、かわいすぎだって。
くっそかわいい。
まじで犯罪級。
「かわいい」が、溢れてとまんない。
あー……キスしたい。
はずかしさにぷるぷると震える唇に、今すぐ噛みつきたい衝動を必死にこらえる。
どれだけ俺を我慢させたら気が済むんだよ。
胡桃見てると、ホントばかみたいに「かわいい」と「好き」しか出てこない。
ほんとは杏にも、桃華にだって妬いてる。
昨日胡桃が帰ったあと、杏を問い詰めたら。
心の声のことを知ってるのは中学のときから、なんて。
駄々こねてまで、桃華に聞いたとか。
もし俺がそこまでしてたら。
もっとはやく、胡桃の力のことを知っていたら。
もうずっと、片時も胡桃と離れることはなかったのかと思うと、ただ避けられていたことに荒れまくっていた自分が情けなくなる。