むり、とまんない。

「は、遥だって……」


「なに?」


「遥だって、えろい格好してるじゃん……」


濡れた前髪からのぞく目は、少し暗めにしたライトのせいか、なんだか変に色気が感じられるし、


脱いでる上だって、ほどよく筋肉がついてて……


あーっ、もう……!

これ以上はもう、むり……!


それくらい、今の遥の格好は普段のクールな姿より何倍も男の人って感じがするから。


「意識、しないほうがむり、だよ……」


「っ……!!」


おそるおそる見上げれば、遥の喉がコクリと上下に動いた気がした。


「っ、あー……もうっ」


「ひえっ……!」


ぎゅっと目を閉じた遥は一度空を仰いで、片手で顔を押さえた。


『ほんと、むり。まじで死ぬ。俺、ぜったい胡桃に殺される』
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