むり、とまんない。


こ、殺される!?


なんで急にそんな物騒な言葉が出てくるの!?


遥は唸ったまま、顔から手を離さないし……。


「あ、あの、遥?
とりあえず、服着よう……?」


風邪、引いちゃうし……。

そう思ってなんとかベッドから降りて、部屋を出ようとしたら。


「んんっ……!?」


「さっきの続き。
しようか、胡桃」


後ろから抱きつかれて、グイッと顎を持ち上げられたかと思うと。


「ほら胡桃。
キスするときは?どうするんだっけ?」


ギラギラと燃えたような瞳が、濡れた前髪からのぞいていて。

背中にゾクリとした何かが走った気がした。


な、なんか遥、髪が濡れてるだけで、雰囲気が違いすぎて……。


「い、いじわるしないで……っ」


つい、口から出たのはその言葉。


「っ……」
『だから、その顔も言葉も反則なんだって。
かわいすぎなんだよ』


「うん、でもこれだけ。胡桃、キスするときは?」


「……あーん、って、する……?」


自分で言っておきながら、ぶわわっと一気に顔に熱が集まる。


「いいこ。
よくできたね」
『っ、破壊力、やばすぎ』


そしてふれるだけのキスから、すぐに熱い舌がすべりこんでくる。


「っ、ふ……」


「ん、かわいい。
もう少し、力抜ける?」


「っ、んん……っ」


「ん、そのまま。
気持ちよくなることだけ考えような」
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