むり、とまんない。
『すきだよ、胡桃。
めちゃくちゃすき』
「っ、ん……はっ、」
心臓がバクバクうるさい。
遥からぶつけられる熱量になんとか必死についていこうとして、手を伸ばせば。
「んっ、あっ、は、遥……」
「っは、なに?」
「風邪、引いちゃう……」
ふれた腕が少し冷えてる気がした。
「大丈夫。
胡桃にあっためてもらうから」
そう言ってほほえむと、遥は私をふわりと抱えて、ベッドへ腰かける。
「胡桃」
「んん……はぁ……っ、」
「さっき俺が言ったことの一つ目。
覚えてる?」
ひ、一つ目……?
なに、言ってたっけ……。
熱に浮かされてくらくらする頭じゃ、なにも考えられない。
「お、覚えてない……」
「そっか。
なら、もう一回教えるから、次からはがんばろうな」
そう言って私の両手をそっと持ち上げると。
「キスするときの2つ目の約束。
俺の首に手、まわすの。
できる?」
「た、たぶん……」
『ふっ、その答えが胡桃らしいよな』
「ん、じゃあ、あったまろ」
そして。私の背中と後頭部に手を回して引き寄せると。
「もっとくっついて。
俺のこと、あっためて」
「っ、ぁ……はる、か……っ」
肩に唇が押し当てられて、体がビクンと跳ねる。
「体あっつい……これ、好き?」
「っ、やめっ……」
「やめない。
気もちよさそうだから、いっぱいしてあげる」
「ふっ、遥……っ」
「ん、いいこ。
手、下ろしたらだめだよ」
肩にキスされるだけじゃなくて、なめたり吸ったりされたりしたら。
はずかしさなんてとっくに振り切れちゃって、もうぎゅっと手に力を込めるしかない。