むり、とまんない。
「お、やっと起きた。
おはよう、胡桃」
『寝起きも、とびきりかわいい』
「おは……って、えっ!?」
脳内に囁かれた声に、ハッとする。
なっ、なんで……。
「なんで遥が私の部屋にいるの!?」
しかも両手は絡められてシーツの上で、なぜか押し倒されてる状態。
どういうこと!?
「なんでって、昨日あのまま俺もここで寝たから」
『胡桃が寝ちゃって残念だったけど』
昨日?
あのまま?
寝ちゃった……?
「………」
ああっ!!
「っ〜!!」
「思い出した?
ここ、真っ赤になってる。かわいい」
するりとなでられた頬が熱い。
愛おしいと言わんばかりの目をして、遥はふたたびキスを落とした。
「っ、ちょっ、遥!
ち、遅刻するから!」
慌てて起きようとしたけれど、手がつながれたままだから、起きれなくて。
遥はすでに制服に着替えてるし、髪もセットしてるのに、私はまだ寝起き。
遅刻する……!
「大丈夫。
いつもよりだいぶ早いし。俺、今日は仕事で早く起きたんだけど、どうしても胡桃の声聞きたくて」
「『それと……いってらっしゃいって言ってもらいたかったから』」
起こしてごめんな?