むり、とまんない。


遥ともってことは、必然的に杏とも話すことが減った。


遥だけ避けるのはぜったい変に思われるってわかってたから。


「胡桃、最近どうしたの?
俺たちなにかしちゃった?」

「気のせいじゃない?」


桃華には杏にも言わないように頼んでた。


気を使われるのは苦手だし、もしかしたら杏も遥と同じことを思ってるんじゃないかって、怖かった。


桃華は小さい頃から名前の通り華やかで、笑顔が絶えなくて。

いくら二卵生とはいえ、同じ姉妹なのに、私は顔も容姿も普通で。


「あたし、モデルやろうかな」


「え?モデル?」


「うん!友達にやってみたらって勧められて!」


そんなこと、言われたことない。

そりゃ、そうだよね。


中学に入って一気に可愛くなった桃華。

髪も巻いたり、軽くメイクもしたり。


元々目鼻立ちがはっきりしてることと、スタイルの良さから男女ともに人気で。


「同じ姉妹なのに、胡桃ちゃんは地味だよね」


同級生には何度も比べられた。
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