むり、とまんない。
生まれつきブラウンの髪で愛くるしさ満点の桃華と。
まっすぐな黒髪に、人見知りの私。
モデルなんて勧められことない。
「桃華はかわいい系だけど、胡桃は美人系の顔だから、向いてると思うけどなー」
唯一あーちゃんだけはそう言ってくれたけど、桃華と比べられることが、ますますコンプレックスになってしまって。
「桃華は桃華、胡桃は胡桃だろ。
他人の目なんか気にすんなよ」
そう言ってくれた遥も、本当はずっとこんなのが幼なじみなんてって思ってたのかな。
モデルデビューが決まった桃華に、双子のイケメン幼なじみがいる。
尚且つ歌もうまいってことで、桃華のマネージャーさんにスカウトされた遥と杏も、いつの間にか遠い芸能界に行っちゃって。
心の声の一件から離れてた距離が、ますます遠くなってしまった。
華やかな世界にいる3人と、そこらの草と変わらない私。
桃華は私に気を使ってあの2人といないようにしてたみたいだけど、
「桃華まで離れちゃったら不審がられるから」
そう伝えて桃華にはあの2人と一緒にいてもらうようにしてる。