むり、とまんない。


交際と、その先……。


あの頃遥とはもう距離ができていたのに、あの頃もずっと私を好きでいてくれて、私との将来を望んでくれてた。


それで私の気持ちが変わるかもしれないって、杏に言われて、つらいレッスンも受けて……。


瞬間。


「っ……」


ずっと心にあった、かたまりみたいなのが落ちてなくなって。


はるか、遥……っ。


代わりにあふれてきたのは。


すき。


すきだよ。


遥のことが、心の底から大好き。


とまらない遥への想い。


「ちょっと、清見さん?
なにこんなかわいい女の子泣かせてるの?」


「えっ!?
だ、だって、そんな泣くとは思ってなくて!
ご、ごめん、胡桃ちゃん!」


「っ、ありがとう、ございます……っ」


「え?」


「ありがとうございます、清見さん……っ」
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