むり、とまんない。
ずっと、ずっと引っかかっていた。
私なんかが、遥の隣に立ってていいのかなって。
キラキラまぶしい表舞台に立って、キレイでかわいいファンの女の子たちがたくさんたくさんいる中で。
なんの取り柄もない、桃華とちがって愛想も素直さもない、平々凡々でふつうな私が遥の隣にいていいのかなって、ずっと自信がもてなかった。
でも……っ。
「清見さんのおかげで、大事なことに、気づくことができました……っ」
前にあーちゃんが言ってた。
『遥くんは芸能人の前に、胡桃の幼なじみなんだよ』
私はずっと自分の気持ちから逃げてただけだった。
遥はずっと、
“ bondの遥 ”としてじゃなくて、
私の、幼なじみとしての遥として、ずっと真正面から向き合ってくれて、変わらず気持ちを伝えてくれていたのに。
遥が芸能人だから。
遥はたくさんの人に認められた人だから。
桃華とはちがって、自分はかわいくないから。
それを理由にして、いちいち周りの目を気にして。
一般人の私なんかがって逃げ道を作って、楽な方に逃げて、闘おうとしなかった。
ウジウジして、覚悟が決まらなかった弱虫な自分なのに。
遥はずっと“ 遥 ”でいてくれて、こんな私をずっとずっと好きでいてくれた。
「清見、さん……」
「えっ、な、なに?」
「私、本当は反対されると思ってました」