むり、とまんない。
「そういえばさ、橘さんて、bondのふたりと幼なじみで、momoちゃんはお姉さんなんだって」
「えー、いいなぁ」
「でもmomoちゃんと姉妹っていうの、なんかわかる気がするなぁ」
ほら、今も。
どうせ私は地味子。
桃華と比べられてるにきまってる。
「もうちょっと自分に自信持ってもいいと思うけどね、胡桃は」
「え?」
「遥くんのことも」
不知火くんが載ってる雑誌を見ながらそう言うあーちゃん。
「私には似合わないよ」
メイクも、短いスカートも。
巻き髪だって。
モデルのお仕事で大変な桃華に代わって、家の家事をする私。
本当は家のことで忙しいから、を言い訳にしてるだけ。
こんな地味な私がしたって、桃華には追いつけない。
むしろ浮いちゃうにきまってる、から。
「これで、いいんだよ」
「胡桃……」
あーちゃんはまだなにか言いたそうだったけど、私は前を向いた。
このままでいいの、私は。
華やかさなんていらない。
元々かわいくもない私が頑張ったって、
もっと遥に嫌われるだけに決まってるから。