むり、とまんない。


「口、あけて」


「っ、遥、時間……っ」


舌がこじ開けてこようとするけれど、今何時か気になって集中できない。


午後からだって言ってたけど、もう時間だったら……。


「大丈夫。
まだ朝はやいから、」


「っ、でも……っ、」


「俺はまだ胡桃とくっついてたい」


っ、なにそれ……っ。


朝が強い遥だけど、珍しくまだ目が覚めないのか、声も甘ったるくてなんだかかわいい。


って、かわいいってなんだ!

今はとにかく時間、時間!!


それから意地でも開かないと決めていたら、なかなかあけないことに焦れたのか、首に顔をうめる。


「ん、俺のしるし、ちゃんとついてる」


「んっ、ちょっ、はる……っ」


首をなぞる唇に、体が跳ねそうになるのを必死に耐えて耐えて。

なんとか時間を確認すれば朝の7時。


たしか、チェックアウトは10時だったから、まだ平気。


「んで、時計ばっかみてんの。
俺に集中して。こっちみて」


「っ、はる、」


「隙あり」
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