むり、とまんない。


「は?
今日午後からって言ってただろ」


とたんに声のトーンが下がって、顔が歪む。


もしかして、お仕事の時間、早まったとか?


なら、急いで準備してでないとやばいんじゃ……。


そう思って、あわてて起きようと体を起こそうとしたのに。


「っ!?」

『だめ』


ああだ、こうだと話している最中なのに、私の両手は器用にまとめられて、頭上に。

そして、体はまたまた布団の中へ。


『まだ起きちゃだめ』


そう言って、耳と肩の間にスマホを挟むと。


「っ……!?」


腰のラインから、そのまま太ももへと手をはわせ
る。


「で、何時に迎えにくるって?」


「っ、ちょっ、はる……っ、」

『シー……声出すと清見にバレるよ』


けれど手はとまらなくて、今度は肩の内側へと入り込んでくる。


『あー……声我慢してんの、めちゃくちゃ興奮する』


なに、バカなこと言ってるの!?


キッと下から睨みつけるけれど、ますますいじわるにほほえむだけで、手をとめてくれない。


っ、またこの感覚……っ。


体の奥底が疼く感じ。
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