むり、とまんない。
「えっ!?
最後までしちゃったの!?」
「ちょっ、声が大きいっ!!」
周りの女の子が見てるから!!
慌ててその口を塞げば、あーちゃんはもごもごする。
「しっ、してないよ!」
慌てて、今朝遥から言われた話もする。
「うっわ……ほんっと、遥くん最強すぎない?
今どきそんな男いる?いないでしょ」
はァァァと大きいため息をついたあーちゃん。
「で、胡桃は?
キスの一つや二つ、してあげたの?」
「そっ、そんなの、はずかしくて、むりだよ!」
してほしいって言われたけど……。
正直できる自信がない。
てか、自分からってどうやってやるの!?
「い、一応アイスは作ってみたんだけど……」
「アイス?」
「その……疲れたときには甘いものって言うし…自分からキスするのはずかしいから、遥がそれに夢中になってる間にしようと思って……」
「なんじゃそりゃっ!?」
バーン!!と勢いよくテーブルを叩いて立ち上がったあーちゃんに、いたたまれなくてうつむく。
うっ、それは分かってるよ……。
でも、性格上、自分からキスとか、想いを伝えるのはずかしすぎて……。