むり、とまんない。


「なっ、なにそのセリフ!?」


次にバーン!!と勢いよくテーブルを叩いたのは私のほう。


みるみるうちに顔が赤くなるのがわかって、肩がぷるぷる震える。


そっ、そんなセリフ言えるかーーーっ!!


「だっていっしょに住んでるんでしょ?だったら同棲と変わんないじゃん。胡桃、ごはんつくって待ってるんでしょ?」


だから同棲じゃないって!


「だったら、まず思いつく定番のセリフといえばこれでしょ!」


「そう、なの……?」


「そうなんだよ!
はいっ、リピートアフターミー!
お風呂にする?ごはんにする?
それとも、わ・た・し?」


「ご、ごはんに……す、るんでしょ?」


「なんっっで決めつけるの!」


「だって無理だって!!」


ううっ、なんでこんな練習してんだ私……。

世の中の彼女さんたちは、みんなこんなことしてるんだろうか……。


「まずはその恥ずかしがり屋なところ、どうにかしなくちゃ!じゃあはいっ、もう1回!」


「ううっ……
ご、ごはんに……」
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