むり、とまんない。
──────────


「じゃあ、おつかれ!
がんばって言うのよ!」


「が、がんばりマス……」


それから何回も練習させられた私は、ドッと疲れていた。


でもキスよりも、こっちのほうがハードル高そうだから、キスはできそう。

あーちゃん……いろんな意味でありがとう。


「じゃあ、最後にあたしからエールを送るよ!」


「エール?」


そう言って渡されたのは、さっきあーちゃんが本屋で買っていた雑誌の一冊。


「それの30ページ目、見てみて」


「30ページ……?って、!?」

「ねっ!?
それ、やばいでしょ!」


っ、や、やばいってもんじゃないよ!!


見れば、今流行りの男性アーティストたちが特集された記事。


まあ、それだけだったらいいんだけど……。


「なにこの特集!?」


見れば男の色気特集と書かれた記事があって、水なのか、汗なのかわからないけど、胸元が濡れてて白いシャツで目線をはずしたアップの遥がそこにいた。


なんつーやつなのこれ!?
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