むり、とまんない。
「よし……」
玄関へと向かって、一つ深呼吸。
ゆっくりドアを開ければ、甘くほほえむ遥がいて。
「は、はるか……っ」
「ん」
「お、おかえり……っ」
「ん、ただいま、胡桃」
首に手を回して抱きつけば、遥も弾んだ声で目をとけさせてぎゅうっと返してくれる。
『最高すぎる……もう、新婚だよな、これ』
なんて心の声が聞こえて、また体がかちこちになるけれど。
「あの、ね、遥……」
「うん?」
その顔が少し疲れたと言ってるのはすぐにわかったから。
「お、お風呂にする?
ごはんにする?
それとも……わた、し?」
はずかしさとか、そんなのぜんぶ吹き飛んじゃって。
いつもいつも大切にしてくれてる分、今日は私が少しでも遥に素直になれたらって。
あとは、いつもいじわるされてるお返しもちょっと。
「っ……!」
背伸びしてキスして、その胸に擦り寄る。
遥の心音、速い。
ちょっとはドキドキしてくれた……?
「っ、はぁ………」
「はるか……?」
「……っ、どこでこんなかわいいの、覚えてきたの」
「っ、えっ、ちょっ、」
これは予想外!!
「答えは……胡桃にする」
そう言って私を抱きあげると、早足で私の部屋へ。