むり、とまんない。


まあ、杏とでさえ話したのは今朝が久しぶりなのに、2人にまたご飯を振る舞うなんてこと、この先ないだろうな。


遥には嫌われてるしね……。


なんてせっかくスーパーに来たんだし、暗いことを考えるのはやめよう!


そう思ってかぼちゃをじっと見つめていたら。


「かぼちゃ、お好きなんですか?」

「え?」


見れば私のすぐ横。

びっくりするくらい近い距離に他校の制服を来た男子がいた。


「あまりに熱心に見てるから、そんなに好きなのかと思って」


「あ、いや……その、」


人懐っこい笑みを浮かべて、ふふふと笑うその人。


「学校帰りの女子高生が1人でスーパーなんてあまり見ないから。お使いとか?」


「あ、えっと、はい……そんな感じ、です」
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