むり、とまんない。


夏の舞踏会。

コンセプト通り、舞踏会のようにクラシックの音楽を流して、接客組はドレスや王子様の格好をするらしい。


不知火くんや甘利くんたちはいいとして……。


「遥、めちゃくちゃ嫌がりそう……」


そもそも女の子と関わるのが嫌だっていうのに、接客なんてできるのかな。

甘利くんもだけど……。


「まあ、そこは大丈夫っしょ!
なんてったって、胡桃が着るんだから!」


「そうだね」


どうして私が着ると、遥も着てくれるってなるの?


「まあ、胡桃がドレスで接客なんて、心休まらないだろうし、だったら自分もって言い出しそうだよね」


「ぜったいそれ」


謎にあーちゃんと清見さんがウンウンうなずいてる。

よくわかんないけど、ほんとドレス着るのいやだよ……。


「もうすぐ着くよ〜」


「はーい!」

「はい……」
< 277 / 346 >

この作品をシェア

pagetop