むり、とまんない。
「あーちゃんのほうだよ」
「だから胡桃だって」
清見さんの後ろにいるとはいえ、制服着てるからだろうか。
なんだか肩身せまい……。
そう思って縮こまっていたら。
「橘……?」
あれ、この声……。
「妹ちゃん!?」
「あれ、あすみちゃんもいる」
「不知火くん!」
うしろから聞こえた声にふり向くと、甘利くん、八朔くん、不知火くんがいた。
「んで、ここに……」
「あっ、もしかして!
僕たちのステージ、見にきてくれたの!?」
「そうだよ!」
「あすみちゃん見てるなら、俺今日のステージめちゃくちゃがんばれちゃうな」
「し、不知火ぐんんんっ!!」
にこにこ八朔くんが笑う横で、不知火くんも王子キラーの笑顔を見せている。
ま、まぶしい……。
普段から応援してるあーちゃんは見慣れてるみたいけど、こんな近くでイケメン集団を見ることはないから圧倒されちゃう。
「妹ちゃんも、僕たちを見にきてくれたのっ!?」
「あ、それは……」
というか、近い……っ!
グッと顔を近づけられて、思わずたじろぐ。
この間も思ったけど、八朔くん、いつもこの距離で女の子と話してるの!?
「おい、小春。
橘困ってる」
「ちょっ、引っ張んないでよ、みはや!」
ピシッと固まってたら、甘利くんが八朔くんを遠ざけてくれた。
「だって妹ちゃん、めちゃくちゃかわいいんだもん!僕の好みど真ん中♡」
「それ、どの女にも言ってるだろ」