むり、とまんない。
「でも、やっぱり不知火くんを思えば、crownに勝ってほしいって自分もいるから」
「うん……」
「あたしは見るだけにしとくよ」
「あーちゃん……」
きっとcrownに入れたいはず。
でも私のために、それはできない。
あーちゃんに、いやな思いをさせてる。
「今、ごめんって思ったでしょ?」
「え……」
「ほんっとに分かりやすいなぁ、胡桃は。
べつに私、我慢なんてしてないよ」
「でも……」
「むしろ、素直に親友の恋を応援できない自分が情けないよ」
「っ、そんなことない……っ」
遥とのことで、何度もあーちゃんに救われた。
何度もアドバイスをもらった。
あーちゃんがいなかったら、今の自分はいない。
何度お礼を伝えても伝えきれないほど、あーちゃんには感謝している。
「あー……このまま氷といっしょにとけちゃいたい」
「え?」
「胡桃の心の声、代弁してみた」
クスッと笑ってあーちゃんは言う。
「胡桃は今、胡桃ができることをしようよ。
遥くん、忙しいんでしょ?胡桃は胡桃なりにできることがあるはず」
「うん……」
「はい!じゃあ、この話は終わり!
とにかく!今は文化祭の準備気合い入れていくよ!接客もそうだけど、メニュー考案もがんばんなきゃだから!」
「そ、そうでした……」