むり、とまんない。
今回出すメニューは、コンセプト通り、簡単に作れるけれど、見た目も味も華やかなもの。
料理が趣味の私に、そのメニュー考案が回ってきたのだ。
「遥くんは遥くんでがんばってるんだし、胡桃も胡桃でがんばろうよ!」
「っ、ありがとう、あーちゃん」
「ふんっ、お礼はおいしいメニューを作ってから言ってちょうだい!」
「あーちゃん……もしかして、舞踏会って設定気に入ってる?」
「まあ、女の子なら一度は憧れる設定じゃん?」
なんてふたりで顔を見合わせてプッと噴き出す。
後ろ向きに考えてちゃだめだ。
私は今、私ができることをしよう。
遥のために、クラスのみんなのために。
遥……。
私、遥を信じてるよ。