むり、とまんない。


「胡桃」


「なに」


「そんな拗ねんなって。
もういじわる言わないから」


「どうだか。
いつもいつもいじわる言うじゃん」


「だって、胡桃がかわいすぎていろいろとまんないから。な、もう一回ちゃんとぎゅーしよ?」


「いや」


「なんで」


「いじわるばっかり言うからいや。
というか、早く寝ないと熱下がんないから!」


「俺の治療薬は胡桃とくっつくことだけど?」


「そんなわけあるかっ!」


「あるんだな、これが。
な、試しにぎゅーしようよ」


「い、や、だ」


「くーるーみー」


小さい子をあやすみたいな甘ったるい声。


いつもいつも私ばっかり、照れて、はずかしい思いして。

たまには私がいじわるしたって、バチは当たらないはず。
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