むり、とまんない。
「この間は、もっととか、とまんないでって言ってきたのに」
「ばっ、そんなこと言ってない!」
「言ってましたー。
ほんと、こっちは嫉妬で頭狂いそうで、何度も襲う寸前でなんとか抑えてたっていうのに」
「ま、まさかそれ……」
「そうだよ。
この間のテレビ局でキスしたときも、しばらくの間距離とってたのも、ぜんぶそう」
「胡桃といると、自分が抑えられなくなって、とまんなくなるの」
「っ〜!!」
「なのに?この天然小悪魔ちゃんは?いつも眠いときに限って、素直になるからほんと困る」
「て、天然小悪魔……?」
「そうだよ。
俺の脳内に甘えたボイス、ちゃんと録音されてるから、嘘じゃないよ」
「なっ、なにその甘えたボイスって!
だいたい私だってちゃんと記憶ある!」
「へえ、どんな?」
「前に熱出して倒れたとき、遥私のおでこにキスしたり、頭なでたり、かわいいって言ったりして……」
「……どこで?」
「だから、私の部屋で……って、」
ん?
あれ?
今私、なんて言った……?