むり、とまんない。
次は太ももからあがってきた手が背中をゆっくりなでて。
「っ、やめてっ……」
「やめねーよ」
ぴくりと体を震わせる私をこれでもかとニンマリ笑って見つめてくる。
もう、いいかげんにして……!
「この間もさ、半分寝てんのに、半分起きてるとかかわいい状態でめちゃくちゃ煽ってくるし。ほんと、あの場で押し倒そうかと思った」
「うっ……」
よくよく思い出してみれば、私、いろいろとんでもないこと口走ってた気がする。
なのに遥の頭にはしっかり記憶されてるらしいし、忘れて、なんてぜったい無理だ。
「まあ、いいけど?
胡桃も同じ気持ちだって分かったし」
「同じ気持ち?」
「それ聞いちゃう?
胡桃のこと、ぜんぶほしいってこと」
「っ……」
「あーあ。
熱出してなかったら、今すぐめちゃくちゃにしてたのに」
「っ、ばか!」
「けどまあ、お楽しみはあとにとっとくのが一番だよな。その方が、お互い最高に盛り上がるだろうし」
「知らないよ!」
熱があるっていうのに、どうしてこんなに口が回るの。
ほんと口から生まれてきたんじゃないの?って言いたくなる。
「けどまあ、明日勝負に勝つまでのお預け」
「……」
「胡桃」
「……なに」
「俺にエール、ちょうだい」