むり、とまんない。
「ハイハイ、メイクするよー」
「うわっ、ちょっ!」
「遥くんをもっともっと元気にさせるために、とびっきりかわいくしてあげるから!」
「そ、それは嬉しいけど……」
遥、接客しないよ?
あんなに高かった遥の熱は、無事平熱に下がってくれた。
けれど病み上がりでまだ体調も万全じゃないだろうから、遥は接客係はせずに、ステージまではゆっくりするって言ってた。
遥にはこんなはずかしい姿見られたくなかったから、逆によかったかもしれない。
「ほい、メイク終わり〜!
あとは髪!」
「あの、あーちゃん……私もういいから」
「動かないで!」
「すいません……」
ピシャリと言い放ったあーちゃんは、なにやらブツブツ言いながら私の髪を巻いていく。
ほんと、そんなに気合い入れなくてもいいのに……。
「よし、完成っ!
うわぁ、胡桃、超かわいいじゃん!」
「えっ、胡桃ちゃん!?
すっごい美人!」
「遥くんが好きになる気持ち、めちゃくちゃ分かるわぁ」