むり、とまんない。
「なんか、席数多くなった?」
もうチャイムが鳴るのに、空席も多いし。
ちなみに私の隣も。
休みが多いだけなのかな?
「え、胡桃聞いてないの?
桃華から」
「桃華?」
なんでここで桃華?
「ほら席つけー」
「きゃあああーーーっ!!」
!?
頭にハテナマークを浮かべていると。
担任の先生が入ってきた瞬間、突如黄色い悲鳴を上げたあーちゃんにビクッとする。
「やばいやばいやばい!
緊張してきた〜!!」
「ねえ!?私のメイクおかしくないかな!?」
「頼む、どうか隣の席に……っ」
えっ、えっ、なにごと!?
教室中が一気に騒がしくなる中で、私だけが取り残されたみたいにポカンとしてしまう。