むり、とまんない。
独占したくてたまらない。
隣の席
「不知火 律(りつ)です。
crown(クラウン)のリーダーをしています。
よろしくお願いします」
「しっ、不知火ぐんんんん!!」
深いブルーの髪をさらりと揺らし、にこりと笑った不知火くん。
あーちゃん、まさかの号泣……。
他の女の子たちも、みんなズキューンとハートを撃ち抜かれたみたいに悶えている。
「不知火と同じcrownのメンバーの甘利です。
よろしく」
「きゃあああ!!」
「甘利くーーーん!!」
パーマのかかった艶のある黒髪に、シルバーのリングピアス。
中性的な顔立ちのクールな甘利くん。
「モデル兼女優のmiwaです!
男子の皆さん、たくさんお話しましょうね!」
「やっば!
生miwaかわいい〜!」
なにこれ。
それからHRが始まって、まずは自己紹介となったのはいいんだけど……。
芸能人が同じクラスにいるという状況に、私以外の誰もが自我を見失ったみたいに騒ぎまくっている。