むり、とまんない。


とまあ、こんな感じで悲しくも席は確定して、自己紹介となったわけです……。


芸能科との混合の話は急な話で。

私が休んでいた一昨日の日に決まったらしい。


にしても、桃華。

そんなに大事なこと、どうして黙ってたの……!?


一昨日も昨日も、家で顔を合わせてるのに。

遥のことを避けてる私を気にして、あえて言わなかったんだろうけど……。


これは言っといてほしかった……!

同じクラスなのは特に!!


『胡桃』


っ!!


顔を上げそうになったところを寸前でこらえる。


『胡桃って、もう一回ちゃんとよびたい。さっきはテンパっててちゃんと聞いてなかったっぽいし』


さっきの、よろしくって言ったやつ……。


一応は聞こえてたし、実際心の中で呼ばれてるけど、直接は久しぶりすぎて、普通でいられる気が……。


というか、現在進行形でテンパってるよ……!


『胡桃かわいい、ってあとで言ってみようか。
驚く?あー……ぜったいかわいいって』


もう、静かにして……。


遥の声も、鼓動も。

先生の声も入ってこないくらい頭の中でこだまする。


うー、視線もビシバシ感じるし、

かーっと全身が熱くなる感覚。

こ、これ以上は心臓がもたない……っ!


早く!!

授業!!

終わって!!
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