むり、とまんない。

「うふふうふふ!
いいね〜!青春だね〜!」


「桃華。
勝手に杏に話したこと、まだゆるしてないからね」


「ええっ〜、胡桃〜!」

「まあまあ、落ちつきなって。
で、どうなの胡桃。実際のところは」


「な、なにが?」

「ごまかせると思ってる?
心の声のことだよ。
まあ、かわいいだのなんだのって悶えまくってるとかそこら辺?」

「………」


あ、やばい。

かーっと熱くなる頬を隠そうとしたけれど、もう遅い。


へえ?とか、

ほーん?とか。


ニヤニヤコンビが復活しちゃった。


「昔っからただ漏れだったもんなぁ、遥。
小学生?いや、保育園のときから?胡桃はぜんぜん気づいてなかったけど」


「胡桃がいないとき、ことあるごとにかわいいって言ってたよね。あたしには1回としてないのに」


「なに桃華、遥に言ってもらいたかったの?」

「いや、まったく。
けど姉妹なのに、遥の目には胡桃しか映ってないんだなーと」


「それは言えてる」


勝手にふたりで話を進めているけれど、私の頭の中はますますパニックに陥っていた。


保育園って……。


そんな前から!?

ど、どど、どうしよう……。


ほんと私、これからどんな風に遥と接したらいいの……!?
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