その星、輝きません!
「どうして、昨日の財布男がいるのよ?」

「それが…… 朝電話で、新規でカウンセリングの予約をされた方なんです……」

「ひぇ!!」

 悲鳴をあげそうになった口を両手で抑えた。


「何でよ?」

「分からないです」

「どうして、素性の分からない人のカウンセリング受けるのよ!」


「だって、鈴橋さん、了解って言ったじゃないですか?」


「まさか、あの男だとは思わないじゃない!」


「私だって、名前聞いたぐらいじゃ分からないですよ。しかも、昨日、名前なんて聞かなかったじゃないですか?」


「嫌だよ、私。だって、あの人怖そうじゃ~ん。怒られたらどうすんのよ~」

 腕を組んでブルブル震えて見せる。


「引き受けちゃったんだからしょうがないじゃないですか! 鈴橋さんより怖い人なんて、めったに居ませんから、丈夫ですよ」

「はあ? どういう意味よ!」

 あかねを睨んだ。

「はい。事前のカウンセリング記録です」


 あかねは、私にフャイルを押し付けると、がんばれとガッツポーズを送って受付へと戻って行ってしまった。
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