その星、輝きません!
車に乗り込み、エンジンをかけたのだが。
あーしまった、ここがどこだかさっぱり分からない。良太のアパートは何処だ? おんぼろカーナビが上手く反応してくれない。ああ、どっちの方向かも分からない。仕方ない、スマホで検索した方がよさそうだ。
すると、突然助手席のドアが開いた。
「ひえーーっ」
「何もたもたしているんだ?」
ドアを開けたのは彼だった。
「あの、ちょっと地図を検索しているだけなので、大丈夫です」
「困った秘書だ。自分の家に帰れないとはな……」
「大丈夫ですってば」
もう彼は、すでに助手席に座っている。
「大通りを左だ」
「どうするんですか? また送って来るのは嫌ですよ」
彼は、スーツの胸ポケットからスマホを出した。
「ああ俺だ。良太のアパートまで今から来られるか? よろしく」
はい?
「誰に電話を?」
「運転手だ。二十四時間待機している。いつでも、どこでも来る」
「ああ嫌だ。そんな仕事」
「文句言ってないで、早くスタートしたらどうだ」
「はい、はい」
何を言っても無駄なようだ。
無事に良太のアパートの前に来ると、すでに彼の車は待っていた。凄いな…… 運転手さん
彼を待つ車の近くに停めた。
「コインパーキングに停めるんじゃないのか?」
「はい。でも、運転手さんお待たせしちゃ悪いでしょ。あなたを降ろしてから行きます」
「そうだな。でも遠慮しなくていい。待つのも運転手の仕事だ。それに、女性を一人でこんな時間に歩かせられないだろう」
「そうでうかね? 心配する事もないと思うけど」
こんな事で言い合っても仕方ない。また、車をスタートさせた。
わずか五分ほどの道を、彼と並んで歩く。
「また、会えないだろうか?」
「えっ」
彼は立ち止まった。私も、足を止めるしかない。お互い向き合う形になり、自然と彼と目が合ってしまう。
彼が、私に答えを促すように見ている。
「えーっと。今までも、たまたまというか、偶然というか? また、会えるかもしれませんね。おやすみなさい」
私はペコリと頭を下げて、一気に走り良太のアパートの部屋にかけ込んだ。
ああ、びっくりした。
彼の言った意味がよく理解出来ずにいるのに、胸の鼓動だけが異様に早くなっていた。
あーしまった、ここがどこだかさっぱり分からない。良太のアパートは何処だ? おんぼろカーナビが上手く反応してくれない。ああ、どっちの方向かも分からない。仕方ない、スマホで検索した方がよさそうだ。
すると、突然助手席のドアが開いた。
「ひえーーっ」
「何もたもたしているんだ?」
ドアを開けたのは彼だった。
「あの、ちょっと地図を検索しているだけなので、大丈夫です」
「困った秘書だ。自分の家に帰れないとはな……」
「大丈夫ですってば」
もう彼は、すでに助手席に座っている。
「大通りを左だ」
「どうするんですか? また送って来るのは嫌ですよ」
彼は、スーツの胸ポケットからスマホを出した。
「ああ俺だ。良太のアパートまで今から来られるか? よろしく」
はい?
「誰に電話を?」
「運転手だ。二十四時間待機している。いつでも、どこでも来る」
「ああ嫌だ。そんな仕事」
「文句言ってないで、早くスタートしたらどうだ」
「はい、はい」
何を言っても無駄なようだ。
無事に良太のアパートの前に来ると、すでに彼の車は待っていた。凄いな…… 運転手さん
彼を待つ車の近くに停めた。
「コインパーキングに停めるんじゃないのか?」
「はい。でも、運転手さんお待たせしちゃ悪いでしょ。あなたを降ろしてから行きます」
「そうだな。でも遠慮しなくていい。待つのも運転手の仕事だ。それに、女性を一人でこんな時間に歩かせられないだろう」
「そうでうかね? 心配する事もないと思うけど」
こんな事で言い合っても仕方ない。また、車をスタートさせた。
わずか五分ほどの道を、彼と並んで歩く。
「また、会えないだろうか?」
「えっ」
彼は立ち止まった。私も、足を止めるしかない。お互い向き合う形になり、自然と彼と目が合ってしまう。
彼が、私に答えを促すように見ている。
「えーっと。今までも、たまたまというか、偶然というか? また、会えるかもしれませんね。おやすみなさい」
私はペコリと頭を下げて、一気に走り良太のアパートの部屋にかけ込んだ。
ああ、びっくりした。
彼の言った意味がよく理解出来ずにいるのに、胸の鼓動だけが異様に早くなっていた。