その星、輝きません!
 いつものようにプログラムを終えて、一息つく。どうしてだか、大きなため息が漏れてしまった。

「どうしたのよ?」

 向かいのテーブルに座っていた薫が顔を上げた。

「ううん。ちょっと寝不足なだけ」


 実は、夕べ珍しく彼から電話がなかった。メールも来ていない。今日、何度目かのスマホの画面を確認した。


「えー。まさか、財布男からの連絡待っているとか?」

「違うわよ!」


「大きな声だして。鈴橋さんの結婚話はどうなった?」

「もう、安子さんまで、変な事言わないで下さいよ。結婚なんてこりごりですよ」

 にやにやして近づいてきた、安子さんを睨んだ。


「そうかねぇ。私は、あのイケメン、悪い人だとは思わないけどね……」

「そう言う簡単な問題じゃないんですよ」

 安子さんが、何か言いたげに手渡してくれたチョコを口に入れた。


 すると、手の中のスマホが震えた。
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