その星、輝きません!
 慌てて、画面を見る。
 ふっと、小さく息を吐いた。

「もしもし、良太? どうしたのよ?」

「なあ。おっさんから連絡あるか?」


「えっ? 今日はまだないけど…… なにかあったの?」

 良太がわざわざそんな事を聞いてくるなんて、何か嫌な予感がする。


「知らないのか? ロスの郊外で大きな地震があったらしい。ロスに出張だって言ってただろ。おっさんと、山下さんに連絡したけど、返事もメールもないんだよ。回線が混乱しているだけだとは思うけど……」


「えっ?」


 良太へろくに返事もせずに、通話をそのまま切った。

 彼の名前を画面に表示させた。
 一回… 二回… 十回…… のコールが終わっても繋がらない……

 きっと、会議中なのだ


 今度は、メッセージ画面を表示させた。

 『地震があったみたいですけど、大丈夫ですか?』

 メッセージを送る。そのうち、既読になるどだろうと、自分に言い聞かせた。



 スマホでニュース画面を探すと、大きな地震があったことがすぐに表示された。ビルが崩れている様子や、救急隊の慌ただしい写真が映し出されるが、詳しい事は全くわからない。


 メッセージ画面をもう一度確認するが、既読にはなっていない。

 もう一度、メッセージを送る。
 こんな時間だもの、忙しいだけだ。


 その日、彼が電話に出る事はなかった。メッセージが既読になる事も……
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