その星、輝きません!
 ロスの支社から、応援が来たのは三日後だった。それでも、救助を投げ出す事が出来ず続けていたが、さすがに一度、ホテルに戻った方がいいという事になった。

 その間、一度だって彼女の事を忘れた事などない。彼女が日本にいるから、また、焼き肉の約束したんだからと思えば、踏ん張る事が出来た。

 彼女は、俺からの連絡が無い事を、不審に思っただろうか?

 ウザい連絡が無くなって、ほっとしているかもしれない。

 それでもいいから、会いたい……


 ロスでスマホを購入しようとしたが、地震の影響で大混乱だった。それに、日本に戻る人間が、ここで購入するのはいかがなものかと…… 現地の人達は、俺なんかより心労も大きく、スマホも必要としている。日本に戻ってから購入する事にした。


 日本に戻り、すぐにスマホの手配をした。

 仕事に関するメールは、パソコンから確認ができていたが、プライベート用のスマホは別だった。
 俺がロスに居る事を知っている友人もいないので、それほど連絡があるとは思っていなかったが、とにかく彼女と連絡を取りたかった。

 うん?

 着信……百二十五件。
 メッセージ……百八十二件
 そのほとんどが彼女からだった。

 慌ててメッセージを見ると、俺の安否を確認するものばかりだった。

 俺は、車のカギを握りしめて部屋を出た。

 そのまま、長野へ向かってハンドルを握っていた。
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