その星、輝きません!
そして……
*****
あれから半年……
「社長としての自覚があるんですか!」
社長室の椅子に座って、背中をこちらに向けている彼に向かって言った。
「どこか暖かい島にでも行って、二人でひっそりやればいいだろ? 星那だって、そう言ってたじゃないか?」
「そうだけど、聖一さんが立場上、披露パーティーだけでもやってくれって言ったんじゃない」
今日は、ウェディングドレスの衣装合わせの後,彼の会社の役員の方々にお披露目の食事会となっていたのだ。だから、彼の会社までわざわざ来たのに、突然、彼が食事会をやめると言い出したのだ。
「うっー。俺が取りやめと言ったら、取りやめだ!」
「披露パーティーの事はともかく、今日は、忙しい中、役員の方々が待っていて下さっているのよ」
私は、彼の座る椅子の前に回り、腕を組んで立った。全く、何か気に入らないかしらないが、突然勝手な事を言い出す。時々、この人が本当にこの会社を立ち上げたのかと、疑ってしまう。
「全く、大人気ない……」
ずっと、黙って聞いていた、山下さんがぼそっと言った。
「うるさい!」
「社長、そんなに星那さん、お綺麗でしたか? 皆に星那さんをお披露目するのが、不安になったのでは? これから、夫婦同伴出席のパーティーも多くなるのに、今からこんな事では困ります」
山下さんが、背背筋を伸ばしピシッと言った。やっぱり、凛々しくて素敵だ。
「嫌なものは、嫌だ!」
それに比べて、この男は、まるで我儘を言っている子供だ。
「ええっ。そんな事で、今日の食事会をやめるって言ってるの?」
呆れて、まともに相手にする気にもなれない。
「そんな事? 全くわかってない。皆が星那を見るんだぞ。見るのは俺だけでいいのに……」
彼の表情が力なく、曇っていく。私の事を思ってくれるのは、素直にうれしいと思うが、仕事に支障を与えるような事だけはしたくない。
「山下さん、行きましょう。皆さんを、お待たせしてはいけないので」
私はくるりと向きを変えて歩き出した。
あれから半年……
「社長としての自覚があるんですか!」
社長室の椅子に座って、背中をこちらに向けている彼に向かって言った。
「どこか暖かい島にでも行って、二人でひっそりやればいいだろ? 星那だって、そう言ってたじゃないか?」
「そうだけど、聖一さんが立場上、披露パーティーだけでもやってくれって言ったんじゃない」
今日は、ウェディングドレスの衣装合わせの後,彼の会社の役員の方々にお披露目の食事会となっていたのだ。だから、彼の会社までわざわざ来たのに、突然、彼が食事会をやめると言い出したのだ。
「うっー。俺が取りやめと言ったら、取りやめだ!」
「披露パーティーの事はともかく、今日は、忙しい中、役員の方々が待っていて下さっているのよ」
私は、彼の座る椅子の前に回り、腕を組んで立った。全く、何か気に入らないかしらないが、突然勝手な事を言い出す。時々、この人が本当にこの会社を立ち上げたのかと、疑ってしまう。
「全く、大人気ない……」
ずっと、黙って聞いていた、山下さんがぼそっと言った。
「うるさい!」
「社長、そんなに星那さん、お綺麗でしたか? 皆に星那さんをお披露目するのが、不安になったのでは? これから、夫婦同伴出席のパーティーも多くなるのに、今からこんな事では困ります」
山下さんが、背背筋を伸ばしピシッと言った。やっぱり、凛々しくて素敵だ。
「嫌なものは、嫌だ!」
それに比べて、この男は、まるで我儘を言っている子供だ。
「ええっ。そんな事で、今日の食事会をやめるって言ってるの?」
呆れて、まともに相手にする気にもなれない。
「そんな事? 全くわかってない。皆が星那を見るんだぞ。見るのは俺だけでいいのに……」
彼の表情が力なく、曇っていく。私の事を思ってくれるのは、素直にうれしいと思うが、仕事に支障を与えるような事だけはしたくない。
「山下さん、行きましょう。皆さんを、お待たせしてはいけないので」
私はくるりと向きを変えて歩き出した。