あなたと出会って世界が変わる
今日はお母さん達のいる家に帰る日


佐伯さんが迎えに来てくれて


車で帰っている途中、知っている人を見つけた


「佐伯さん、その公園に止まって貰えますか?」

車から降り、駆け寄る


その先にはブランコに乗って、下を向いてる


「琴葉ちゃん」


「ひ、なお姉さん?」

顔をあげた琴葉ちゃんの目は真っ赤で泣いた後だとすぐに分かる


「どうしたの?こんな所で」


「お兄ちゃんと道であったの、また女の人と歩いてて、お家帰ろって腕掴んだら、振り払ってその人とどっか行っちゃった」

背中を擦りながら琴葉ちゃんの話を聞く


「いつもは優しいの、いっぱいのお菓子くれてね、遊んでくれるかっこいい自慢のお兄ちゃん」


「うんうん。私も、お菓子貰って助けられることあるから、分かる」


「お兄ちゃん甘党だから。でもね、由依乃ちゃん。幼なじみで琴葉もよく遊んでもらってて、お兄ちゃんとは特に仲良かったんだ」

幼なじみの…


「3年前に自殺しちゃって、それからお兄ちゃん変わったの。夏になると特に、由依乃ちゃん思い出しちゃうのかも…琴葉には何も教えてくれない」

涙を流す琴葉ちゃんにハンカチを渡す


奏くん達が言ってた事はこの事だったんだ


簡単に首を突っ込んでいい事じゃない


でも、苦しんでる人が近くにいるのに何も出来ないのは嫌なの

「朝陽くんが最近行ってる場所とか分かる?」


「お兄ちゃん歓楽街に行ってるみたい。私は近づくなって言われてるから、行けないけど」


「そっか、ありがとう。私も何か出来ないか、考えてみるね」


「ううん。ひなお姉さんの方こそありがとう」

暗くなってたのもあり、琴葉ちゃんを送ってから家に帰った
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