あなたと出会って世界が変わる
「はーい。どちら…ってもしかして朝陽くん?」

驚いた顔をするおばさん


「久しぶりです」


「入って、大きくなったわね」

おじさんは仕事でいないみたいだ


「遅くなってしまって、すみません」

頭を下げる


「いーのよ。由依乃、朝陽くんの事いつも嬉しそうに話してたから。私達も感謝してるの」


「でも、僕が…」

言おうとして、言葉をのむ


おばさんが手に持っているものに見覚えがあったからだ


それは、何かあったら相談するって小学生の時に興味本位で作った目安箱


無くしたと思っていた


「これの中を見てから、ずっと朝陽くんに渡さないとって思っていたの」


「僕に、ですか?」


「そうあの子が、朝陽くんに隠し事したら、その日に書くって、そしていつか大人になったら、笑い話にするんだって言ってたの」

ごめんなさいね。読んでしまって…

と申し訳なさそうに言う



「いえ、僕の方が謝らないと行けない事が沢山…」


「いや、いいのよ。本当に…これを呼んだら分かるから、読んであげて」

目安箱を受け取り、線香をあげさせてもらう


僕の前にはいつも隣で笑ってた由依乃の写真


この笑顔に何度助けられたか


つけている片方のピアスを外し、写真の隣に置く


由依乃ごめんね。僕も幸せだった。ありがとう


心の中でそう言った


「また、いつでも来てね」

おばさんにお辞儀をして家を出た
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