Letter
温かいコーヒーを買って
どこかに座ろうと思って

松の木のそばを歩いていると

庭師のおじさんが
松ぼっくりをバケツに集めている

「ねぇ、松ぼっくり、ちょうだい?」

私の中の少女は言った。

「松ぼっくり、ぜんぶちょうだい?」

私は彼女をなだめて、ベンチに座った。

冷たい風が吹いたので、
コーヒーをすすった。

甘くて苦い微糖の人生だった。

気づけば感傷をしなくなっていた。

いよいよ冷たい風が吹いてきて
座っていられそうにない。

行かなくては
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