fate
恥ずかしくて嬉しくて、でも切なくて、泣きそうになりながら、声にならない声を上げるあたしに、
「可愛い……好きだよ、はるか」
と何度も耳元で囁いてくれる。
呪文のように繰り返される言葉に、夢と現実の境さえ分からなくなっていく。
しがみつくと驚くほど熱い体も、優しく触れる指先も、乱れていく息も、
全てが愛おしくて、このまま死んでもいいと、本気で思った。
「好き――…」
声に出すと、ついに涙が頬を伝っていき、指で優しく拭われる。
このままずっと、一緒に居られたらいいのに――