fate
唇に何かが触れたのを感じて、あたしは目を覚ました。
腕枕をされていて、在原さんが顔を覗き込んでいる。
「あ、ごめん…。あたし寝てた?」
ぼんやりした頭で周りを確かめる。
薄暗い灯かりがついた白い部屋。
「寝てたの5分ぐらいだよ。
可愛かったからキスしてた」
微笑みながら、そんな言葉で喜ばせる。
「お風呂、一緒に入ろうか」
抱き起こそうとする在原さんに、
「や、やだやだ!恥ずかしい!」
と抵抗してみるけど、意地悪な腕には勝てない。
そんなことは、分かってる。
「なんでー?もう全部見たんだから。
恥ずかしくないよ」
「……そんなこと言われると、余計に恥ずかしいんだけど」