fate
「絶対寝ちゃダメだよ!特に高速は眠くなるって言うし……」
「大丈夫だよー」
もう朝。
在原さんはK市へ――現実に引き戻される。
「帰ったらちゃんとメールしてね?」
「分かってるよ。はるかちゃんは、ちょっとでも寝ときな?」
今からだと2時間も寝られないけど…。
軽くキスを交わして、つないでいた右手をゆっくりと離す。
「じゃあ、またね……」
「うん、またね」
冷たいベッドにもぐり込んで、火照った体を鎮めるように目を閉じた。