fate

“彼女”という文字だけが、大きく見える。

お茶を一口飲んで、気持ちを落ち着かせる。
在原さんを責めるようなことはできない。

悪いのは、全部あたしなんだ。



【そっか。
彼女にしっかり看病してもらってね。
あ、でも彼女にうつしたらダメだよー(笑)】


なんで彼女まで気遣わなくちゃいけないんだろう。

でも、仕方ないことなんだ。


「ねー、祥子ちゃんちでクリスマスパーティーしようよ♪」

薫ちゃんが勝手にパーティーの計画を立てはじめた。

そう言えば祥子ちゃんは一人暮らしだけど、家に遊びに行ったことなかったな。
睡眠不足のせいで頭痛がしてきたけど、テンションを無理矢理上げた。

「いいねー♪
あ、でも里香ちゃんはかっしーと…?」



「でもクリスマスって平日じゃん。
多分会えないから、あたしも行く!」



「え、てかあたし許可してないんですけど……」


冷静に突っ込む祥子ちゃんに、3人で反論する。

「だってー。他に場所ないじゃーん。
祥子ちゃんだけだよ、一人暮らしなのは」

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